■目的
医療関係者と患者との距離は常に時代とともに変わっています。医師が絶対的存在であった時代は終わり、患者が「患者様」と呼ばれるようになり、現代では、その関係性が不確かなものになっています。
一方で、新型コロナウイルスへの対応を見てもわかるように、専門的な知見の社会的重要さは変わらないものの、わかりにくさ・とっつきにくさ・親しみにくさから、誤った対策が取られてしまうこともあります。
「医療現場の課題をデザインで解決する」というミッションを掲げて設立した一般社団法人日本医療デザインセンターは、医療関係者と患者との間のコミュニケーションの壁を越え、必要な情報や認識が過不足なく届きわたるよう、医療業界にデザインの力を活用していきたいと考えています。
今回のサミットは、「医療デザイン」およびセンターの活動を、社会に対して広く認知していただく一歩としていくべく企画しました。
■主催団体
一般社団法人 日本医療デザインセンター
■開催時期
11月21日(日)15:00~19:00
■形式
■当日のプログラム
2018年の2月の発足以来の日本医療デザインセンターの歩みと、構想を語ります。
桑畑 健
日本医療デザインセンター 代表理事 / デザイナー
スピーカー
医師あるいは医療従事者と患者との関係は、旧来の盲目的な主従関係から大きく変化をしてきました。
世界医師会による「患者の権利に関するリスボン宣言(1981年)」では「患者の自律性と正義を保証する」ことがうたわれました。しかし一方で、医療施設や医療機器、あるいは医師と患者のコミュニケーションは、その機能性専門性の高まりをを受けて、患者を置き去りにしているケースも見られます。また、地域において医療機関が期待される役割を十分に果たすためには、行政、介護、企業、学校、町内会などとの連携が大事になってきています。
記念セッションでは、日本医療デザインセンターが掲げる医療デザインの定義「医療者と患者をハートフルに繋げることを目指した 建築(設備)・製品・情報などの企画および設計のことであり、 またそれを実現するためのプロセス(過程)である」を元に、その可能性を登壇者の皆さまと共有していきます。
小澤 竹俊
一般社団法人
エンドオブライフ・ケア協会 代表理事
スピーカー
佐々木 淳
医療法人社団悠翔会
理事長・診療部長
スピーカー
廣瀬 憲一
医療法人社団 守成会 理事長
日本医療デザインセンター
賛助会 会長
モデレーター
団塊の世代が後期高齢者になるいわゆる『2025年問題』が目の前に迫る中で、10年ほど前から地域包括ケアシステムの必要性が叫ばれるようになりました。この実現のためには「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」などが地域で連携をしていくことが重要ですが、まだ全国に理想的な状況が構築されているとは言いがたい現状があります。
しかし一方で、ベストプラクティスと呼べるような先進事例が地域で展開されるようになりました。このセッションでは地域における様々な連携事例を通じて、その要点や「コツ」を学んでいきます。
川邉 正和
医療法人綾正会
かわべクリニック 院長
スピーカー
川邉 綾香
医療法人綾正会
かわべクリニック 看護師
スピーカー
千場 純
社会福祉法人心の会
三輪医院 院長
スピーカー
村口 正樹
日本医療デザインセンター 理事
スピーカー
北川 幸子
日本医療デザインセンター 理事
モデレーター
コロナ禍では医療従事者が「エッセンシャルワーカー」として取りざたされましたが、その労働環境は「ホワイト」と決して呼ぶことはできないような現状です。
一般的にも「命を預かる」という美名のもとに過重な負担を担うのが当たり前のような風潮があるのも事実です。
しかし本来であれば医療機関の経営層は、医師看護師コメディカルの職場満足度の向上が、患者満足度の向上に繋がることに意識的であらねばならないはずです。このセッションでは、そのための方法論や実践ケースを学んでいきます。
薬師寺 忠幸
株式会社Medtech JP 代表
日本医療デザインセンター 理事・医師
スピーカー
服部 智任
海老名総合病院 院長
スピーカー
野﨑 礼史
茨城西南医療センター病院
消化器外科科長
日本医療デザインセンター 理事・医師
スピーカー
椎名 雄,
日本医療デザインセンター
理事 / 3Eデザイナー
モデレーター
病院玄関に「真実の口」を置いたところ手の消毒液を利用した方が激増した事例を覚えていらっしゃるでしょうか。
コロナ禍以前にテレビ報道された大阪大学医学部付属病院での事例です。
ハイリスク者に意識変容から行動変容をどのように促すか、また個別化医療の観点から患者にどのような治療法を提供するか、など、『患者中心』という考え方は広まっていますが、その事例はまだまだ乏しいのが現状です。
一方でウェブやアプリ開発の現場では、UI/UXのデザインの相違がユーザー数に大きな影響を与えることを常に認識しています。患者起点のUI/UXについて、先進事例を学んでいきます。
中川 将吾
株式会社Famireha・医師
スピーカー
堀内 祐紀
医療法人社団誠祐会 理事長
スピーカー
西村 佳隆
日本医療デザインセンター 理事
スピーカー
岩田 祐佳梨
特定非営利活動法人
チア・アート 理事長
モデレーター
千葉県佐倉市出身。
筑波大学芸術専門学群 視覚伝達デザイン専攻卒業。
多摩美術大学 情報デザイン修了。
2008年にJump Start株式会社を設立し代表取締役に就任。
以後、医療機関のブランディングを中心に300以上のプロジェクトを手がける。鎌倉の地域活性団体「カマコン」の発起人の一人。2014-16年の2年間、湘南ビーチFMのトーク番組のパーソナリティを務める。
1963年東京生まれ。世の中で一番、苦しんでいる人のために働きたいと願い、医師を志し、1987年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
1991年山形大学大学院医学研究科医学専攻博士課程修了。
救命救急センター、農村医療に従事した後、94年より横浜甦生病院 内科・ホスピス勤務、1996年にはホスピス病棟長となる。2006年めぐみ在宅クリニックを開院、院長として現在に至る。
「自分がホスピスで学んだことを伝えたい」との思いから、2000年より学校を中心に「いのちの授業」を展開。一般向けの講演も数多く行い、「ホスピスマインドの伝道師」として精力的な活動を続けてきた。2013年より、人生の最終段階に対応できる人材育成プロジェクトを開始し、多死時代にむけた人材育成に取り組み、2015年、有志とともに一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立し、理事に就任。現在に至る。
<指定医・資格・所属学会>
日本内科学会総合内科専門医
日本緩和医療学会緩和医療専門医
日本死の臨床研究会常任世話人
1973年、京都府京都市生まれ。
1998年に筑波大学医学専門学群卒表後、三井記念病院・消化器内科、東京大学医学部付属消化器内科を経て、2006年に在宅療養支援診療所「MRCビルクリニック」を開設。理事長に就任する。2008年に同クリニックを悠翔会に改名した。
現在都内近県に合わせて18拠点を構え、総患者数は約6500人。「たとえ病気や障害があっても、残された時間が長くなくても、日々の生活を楽しみ、最期まで自分の人生の主人公としていきられる。そんな医療実現したい」という思いから、在宅医療に力を注いでいる。
平成14年浜松医科大学医学部卒業。
東京医科大学病院を経て平成20年32歳の若さで広瀬病院院長となる。
エアコンを直すことが出来ないほどの経営破綻寸前まで追い込まれながら、地域の中小病院が持つ強みを、歴史に裏打ちされた信頼と病床と捉えて、在宅医療だけでなくより大きなかかりつけ医としての機能を磨くことで、地域内に足場を築く。
これからの更なる高齢化社会を見据え、病院みずからが入院しない地域をコンセプトに掲げて活動している。
令和3年1月日本医師会赤ひげ大賞功労賞受賞。また相模原市病院協会理事、北里大学総合診療科非常勤講師として地域内で活動している。
2000年福井医科大学卒業後、同院第二外科勤務。
2002年大阪赤十字病院呼吸器外科勤務。2015年在宅支援診療所かわべクリニック開院。医療・介護職に閉ざされない真の地域包括ケアシステム構築を目指し、2018年に東大阪プロジェクトを立ち上げ。
『出会うことで、人が動き出し、ともに未来を変える 〜穏やかなエンディングをみんなで〜』 をクレドとして活動し、月に2回の講演会、研修会を開催。
2005年大阪赤十字病院勤務。がん終末期の看護をおこなう一方、終末期患者様が救急搬送に至った経緯や望まない治療を受けざるを得ない状況を知る中で、『最期まで住み慣れた自宅で療養できる医療』を目的に、2015年在宅支援診療所かわべクリニックを開院。
この6年間で約420名の方をご自宅でお看取り。ひとが最期を穏やかに生ききるとはを問い、数多くの講演活動、ブログでの情報発信をおこなっている。2018年にはABC放送「キャスト」特集(わが家で最期を迎えたい人を支える在宅医療の現場に密着)にも取り上げられている。
昭和24年、横浜市生まれ。名古屋大学医学部卒。
横浜市立大学第一内科、パシフィック・ホスピタル院長などを経て平成13年から三輪医院副院長、22年から現職。
これまでに在宅医療の現場で1000人以上の患者の最期を看取ってきた。平成27年には社会福祉法人化、医院近くに地域住民の交流と啓発の場「しろいにじの家」をオープンさせた。
京都府京都市出身。関西学院大学社会学部卒業後、大手證券会社、外資系生命保険会社を経て有限会社ブレインパートナーとして独立。有限会社ブレインパートナーでは、医療経営に特化したコンサルタントとして、経営顧問、開業支援をおこなう。近年は、相模原市や町田地区の介護医療圏多職種連携の場をコーディネートしている。
神奈川県横浜市出身。被虐待乳幼児分野担当。他、各種プロジェクトや里親活動で虐待を受ける乳幼児の支援をおこなう。株式会社doode代表取締役。NPO・NGO・CSR・社会にとって良い活動に特化した、web・雑誌・広告・webサイト運用を行い、より良い明日をクリエイティブする。中学時は木琴部の副部長。
昭和60年(1985年)3月
滋賀医科大学卒業(クラブはハンドボール)
同年6月
泌尿器科学教室入局 その後、研究、医局派遣等を経て
平成12年(2000年)
医療法人社団仁愛会(現ジャパンメディカルアライアンス)入職
平成20年(2008年)
海老名メディカルプラザ院長
平成27年(2015年)
海老名総合病院院長
平成31年(2019年)
地域医療連携推進法人さがみメディカルパートナーズ代表 理事兼任
<マスターズ陸上での主な成績>
2014年 アジアマスターズ選手権M35/100m 6位
2017年 全日本マスターズ選手権M40/200m 2位
2018年 全日本マスターズ選手権M40/200m 2位、400m 3位
2019年 全日本マスターズ選手権M40/100m 1位
不思議な音色株式会社 会長 心の調律師®
音楽・芸能業界を経て、異色のコンサルティング業界へ転身。人財育成を中心に、新店舗立案から赤字店舗の立て直しに至るまで、様々な特命事案を短期間で完遂。これらの経験を活かし、「共育」×「エンターテイメント」×「情動」の3Eを軸に、医療現場を含め、わくわくしてくるプラットフォーム創りを全国各地で発信し続けている。
世界のあしたが見えるまち。
つくば市で初めて起ち上げる小児整形外科 × リハビリテーション専門クリニック。『social good doctor』を名乗り、医療への貢献と共に子育てを取り巻く環境の改善に奔走している。
日頃より患者教育の必要性を訴え、体験型医療を行える施設を目差し、クリニックのデザインを一から設計。
医療保険と予防医療の融合を理想とし、病気になってからしか関わらない医療システムの問題点をリハビリテーションの分野から変えていく。
女性雇用を促進するため秋葉原の地に2007年に開業。
専門医10名が所属する皮膚科に特化したクリニックの院長。
保険治療から美容治療まで幅広く対応し、保険診療に依存しない医院経営を目指している。
患者満足度を上げるには、まず内部から。スタッフのスキルアップと働く環境を整えることに最大の関心があるが、まだまだ道半ば、トライアンドエラーを繰り返す日々を送る。
医療機関はこうあるべき。という固定観念を取り除くため、日々、面白い物や人を探している。
京都市出身。横浜国立大学工学部卒。
株式会社ビジネスリノベーション 代表取締役。
バイクのヤマハの商品企画をキャリアのスタートに、外食、IT、玩具と多様な業界の、商品企画、事業企画、経営企画、新規事業企画に従事。独立後は『イノベーションよりリノベーション』を合言葉に、多様な業界で低リスクの新事業立上げと既存事業活性化支援を行う。モノやサービス”そのものの価値”よりも”それを使っている自分”という視点の”エモーショナルな価値づくり”が得意技。著者『ビジネスリノベーションの教科書』(自由国民社刊)は、Amazon マーケティング部門1位獲得、『エッセンスの塊なのにわかりやすい』と好評。
筑波大学非常勤研究員。日本工業大学 建築学部生活環境学科 非常勤講師。
2006年より筑波大学附属病院でアート・デザイン活動を実践。
2011年より筑波メディカルセンター病院アート・コーディネーターを務める。2018〜2019年度まで、東京工芸大学工学部建築学科 助手。
専門は医療・福祉分野の環境デザイン、協働デザイン。博士(デザイン学)。2019年よりアートミーツケア学会理事。