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2023.01.16 / BLOG

医療デザインサミット 2022[イベントレポート]

AUTHOR / 日本医療デザインセンター

医療デザインサミット 2022
- BEYOND BORDERS -

2022年11月19日(日)にマッシュアップスタジオにて「医療デザインサミット2022 BEYOND BORDERS」を開催いたしました。
当日は10:30から19:00までの約8時間にわたり、全10個のセクション(プレゼンテーションや招待講演など)が行われましたので、レポートにまとめてお届けします。

今回ご登壇いただいた方々は、医療現場だけでなく地域や教育、デザインなど各分野の第一線で活躍している方ばかりです。医療の常識では解決できないような課題も、創意工夫(デザイン)で乗り越えた事例や考え方が多く紹介されています。
「地域医療」や「コミュニティ」「働き方」など、あなたが抱える悩みや葛藤を解決するヒントが見つかるかもしれません。

当日の講演内容はアーカイブでも確認できます。「デザインの力で課題を解決したい!」と思う方は、ぜひアーカイブも合わせてご覧ください。

 

【基調講演】
社会課題解決に向けた
医療デザインの羅針盤

桑畑 健
日本医療デザインセンター 代表理事

 

医療デザインセンターでは「Collective impactによる医療デザインの社会実装」を2021年に宣言し、活動を行ってきました。
1年間で進めてきたプロジェクトは、全国各地で芽吹き始めていると桑畑さんはいいます。

 


医療デザインサミットの開幕を告げる桑畑さん

 

それでも、2022年のうちに医療デザインが社会実装まで至っていないことも事実。
そこで桑畑さんは「おせっかいな言い出しっぺになる!そうだ「言い出シップ」を取るんだ!」と冗談っぽくいいます。

会場からは「くすり」と笑いが起こりましたが、「まずは社会実装のモデルケースを作るぞ!」という桑畑さんの意気込みが込められたことばでした。


Golden Circle をもとに、医療デザインセンターのアクションプランを説明

2023年11月18日には医療デザインサミットの世界大会が開催され、その他にも様々なプロジェクトが控えています。

 

「医療デザインで、世界に感動と喜びを」

 

医療デザインの社会実装に向けて桑畑さんの「言い出シップ」に期待したいですし、自分でも「ワクワクする取り組みを始めたい!」と思わせてくれる内容でした。

 

 

【招待講演】
建築家の“クリエイティブアプローチ”による実践

山崎 健太郎
(株)山﨑健太郎デザインワークショップ 代表取締役
桑畑 健
日本医療デザインセンター 代表理事(モデレーター)

 

仮に、あなたにとって大切な存在である人が、ある日突然余命宣告を受けて入院したとしたらどうでしょうか。きっと気持ちの整理がつかないまま、なんと声をかけていいかわからず、病院の無機質な廊下を重い足取りで歩かなければならないのです。

そう、私たちが当たり前だと思っていた病院のデザインは、時に残酷なデザインであると山崎さんはいいます。

だからこそ、「末期がん患者の孤立を軽減したい」と考えた山崎さんは、静岡県新富士市にある「コモン型ホスピス」の建設に携わりました。

 

 

「家族や友人にとって、居場所であり、逃げ場であり、遊び場となる空間を作りたかった」

既存の樹木を避けるように配置された部屋は、無機質な病室の雰囲気とは異なり、どこか自宅に近い温もりが感じられます。

「亡くなるなら自宅がいい」という患者様の気持ちに寄り添い、日常の風景に近いようデザインされたのでしょう。

 

 

一方で山崎さんは、ご家族やご友人への配慮も忘れていません。部屋の片隅に設けられたスペースは患者からは見えず、家族が「立ち止まれる場所」「気持ちを落ち着ける場所」として重要な役割を果たしているのです。

 

 

最後に、山崎さんは日本家屋の図面を示して次のように語りました。

「以前の納戸は収納する機能だけでなく、お産や夜の営みをする場所であり、ご遺体を安置する場所でもあった。現代の生活ではこれらの”生と死”が切り離されてしまっている」

「生活から切り離すことで死は恐ろしいものと認知されるようになってしまった。ただ、時代が変われば死生観も変わる。だからこそ、死というものを切り離さずに建築デザインをしたんです」

悲しみや苦しみを配慮といって取り払うのではなく、寄り添う形でデザインされたホスピスの事例は衝撃的なものでした。

 

【基調講演】
HCD-HUBから、すべての人に、 新たな出会いと発想を

松本 純
株式会社セントラルユニ 執行役員
辻 麻友
HCD-HUB 編集長

今回、マッシュアップスタジオを提供していただいた株式会社セントラルユニ。
“いい病院づくり”をお手伝いする場所として活動報告をしていただいたのが、執行役員である松本さん。

 


セントラルユニによる病院づくりの関わり方を解説(松本さん)

 

「現場のスタッフや患者さんへ丁寧にヒアリングし、問題解決をしていくプロセスにデザインの本質がある」と松本さんは言います。

病院の設備などを担当するだけでなく開院後のフォローアップまで行うことで、スタッフの働き方や患者の過ごしやすさをより良いものに「デザイン」するまったく新しい役割。

現場のスタッフだけでは解決しづらい問題も、セントラルユニさんとなら解決できそう! そんなポジティブな気持ちになれるお話でした。

Webメディアやイベントなどを運営しながら、参加者が当事者意識を持てるような仕掛けを展開している「HCD-HUB」。

 


ヘルスケア・デザインを伝えるHCD-HUB編集長の辻さん

 

編集長の辻さんは「HCD-HUBの活動を通して多くの価値観に触れてきた。その中でも理想の病院づくりには直面する共通の課題がある。その課題を乗り越えられるよう、HCD-HUBはプラットフォームとして支援をしていきたい」と語ります。

理想の病院づくりを実現する情報の”Hub”として、病院の中でフィールドワークを行い、その成果を情報発信する取り組みをされているそうです。

関東圏内の病院ですでに活動を始めているそうなので、今後の活躍がとても楽しみな講演でした。

 

 

【プレゼンテーション】
地域医療デザイン

川邊 正和
医療法人綾正会 かわべクリニック 院長
川邊 綾香
医療法人綾正会 かわべクリニック 看護師
室野 愛子
社会医療法人 同仁会 アートディレクター
村口 正樹
日本医療デザインセンター 理事(モデレーター)

 

「長く過ごした自宅で
最期の時を迎えたい」

 

自分の大切な人からこのことばを言われた時、あなたはどうしてあげたいと思うでしょうか?

おそらく「できる限り苦痛が少なく、普段と変わらない日々を送りながら最後の時を過ごさせてあげたい」と考えるでしょう。とはいえ、実際にそうした環境を叶えてあげるためには多大な労力が必要です。

そんな課題と日々向き合っているのが在宅診療医である川邊院長と看護師の川邉綾香さん。

 


在宅医療に邁進する川邊院長(右)と看護師の川邉綾香さん(左)

 

「在宅医療の難しさ」と「祖父の看取り」を経験した2人は、患者さんの悩みを解決するために医療の垣根を超えたサービスを提供し続けています。当日の朝5時にもお看取りをしてきたようで、会場から驚きの声が上がっていました。

そんな2人が「人とまちと医療が心地よい関係」を目指し、東大阪を舞台にした”街づくり”を始めるとのこと。

各分野のスペシャリストが集まって進められている「東大阪プロジェクト」は、2023年度もメンバーを募集しているため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

続いて話してくれたのは、アートディレクターである室野さんです。室野さんは学生時代、その後の人生を大きく左右する出来事に遭遇しました。それは、自分の目の前で杖をつく男性が自ら命を絶つ瞬間を目撃したことから始まります。

 


病院のアートディレクターの室野さん

 

自分には何ができたのだろうか…と考えた室野さんは、「人のそばで杖となる」と決意を固めたそうです。この経験は今でも室野さんの原動力となっています。

「必ずしも医療のスキルだけが人を癒すわけじゃない。例えばアートや音楽のように人を支える手段を持っていれば、それは患者さんやご家族、スタッフ、自分自身を癒す力がある」

そう語る室野さんの言葉には一つひとつ優しい想いが込められており、目頭が熱くなる内容でした。

 

 

【トークセッション】
医療における
デザイン教育の可能性

吉橋 昭夫
Designship Do/全体監修/Designer/Educator
横山 浩二
株式会社LFU 最高執行責任者/救急救命士
野崎 礼史
日本医療デザインセンター 理事

 

「なぜ医療にデザインなのか?」

 

イベントのテーマでありながら、「創意工夫」や「人の支え」「思わず行動したくなる仕掛け」など、人それぞれ考え方に違いが出るテーマだと思います。

とはいえ、医療とデザインはより良い未来を実現させるために発展してきた分野。
「その2つを掛け合わせればより高みに、より良い未来を目指していけるんじゃないか」と野崎さんは語ります。

何も難しいことではありません。日常で思いつく疑問や悩みを「そのままにせず課題として認識する」ことが医療デザインを意識する第一歩になるはずです。

 


医療デザイン大学の学長である野崎さん(リモート出演)を交えてデザイン教育に関するトークセッション

 

ただ、教育カリキュラムとして「デザイン」を教えられる人材が少ないことが課題であると指摘するのはデザイン教育に携わる吉橋さん。

 


UIUXデザイン・デザイン教育に携わる吉橋さん

 

「学生には架空の会社や美大のHPを作成し、修正しながらデザインを学んでもらっている」デザインを学ぶにはより実践的な場から学ぶしかないといいます。

だからこそ「医療デザインを学ぶ環境として、医療デザインセンターや医療デザイン大学の活動がもっと広がっていって欲しい」と語ってくれました。

より実践的な話をしてくれたのは医療従事者のコミュニティを運営している横山さん。

 


チームビルディングやコミュニティを活用している横山さん

 

チームの力を引き出すためには「一人ひとりが創造性を発揮できるよう、管理者はそれぞれの強みを理解することが大切」といいます。

組織の規模や形態によってコミュニティの形は様々ありますが、現場スタッフの「当事者意識」をいかにデザインするか、その重要性がわかる内容でした。

 

 

【プレゼンテーション】
サービスデザイン・プロダクトデザイン

宇佐美 将太
車椅子再発見プロジェクト 車椅子エバンジェリスト
岡田 裕司
くろーばー薬局 代表取締役社長 薬剤師
西村 佳隆
日本医療デザインセンター 副代表理事 / 体験デザイナー
池田 由里子
日本医療デザインセンター 理事(モデレーター)

 

「薬剤師は本当に必要なのか?時代に付いていけない薬剤師は役目を追われてしまうことになる」

薬剤師が置かれている環境や問題点をズバズバ指摘していくのは、くろーばー薬局代表取締役を務める岡田さん。

時折飛び出す毒舌にドキドキするものの、思わず頷いてしまうほど誰もが共感できる内容です。

自身に対しても返ってくる毒舌の裏には「他人を変えることは難しい。まずは自分が変わって周りに見せる」という強い信念が感じられました。

 


終始和やかな雰囲気でトークセッションが進む(画面に写っているのが薬剤師の岡田さん)

 

「医療デザインセンターの取り組みは着実に進んでいる。ただ、やりたいことが満載すぎて自分たちだけではやりきれない!」と言うのは、日本医療デザインセンターの副代表理事である西村さん。

前回の医療デザインサミットや医療デザイン大学などの活動を通して、医療デザインセンターへの協力者はますますに増えています。それでも、「医療デザイン」の社会実装は実現していません。

だからこそ、ワクワクを共有し共に創っていく人材がもっと必要なんです。
「Collective impact を活用して様々な分野の人を巻き込んでいく!」そう語る西村さんの言葉には「素晴らしい取り組みを実現させる」という強い意志が込められていました。

 


「40代男性を元気にしたい!」と語る医療デザインセンター副代表理事の西村さん

 

介護保険が導入される2000年以前は、患者・利用者に合わせた車いすを提供する知識と技術が必要でした。

しかし、今は介護保険で既製品をレンタルできるようになり、医療・介護スタッフは車いすについて深く学ぶ必要がなくなってしまったと宇佐美さんはいいます。

「知識が入手しづらい今だからこそ、全国で車いすの認識をアップデートさせたい!」そんな思いから宇佐美さんは「車椅子エバンジェリスト(宣教師)」の活動を始めました。

今では日本全国が活動範囲であり、2023年には海外にも進出していくとのこと。

「素晴らしいプロダクト(もの)を届けたい!」という情熱のこもった宇佐美さんのプレゼンを、ぜひ動画でもご覧ください。

 


車椅子エバンジェリストとして全国を飛び回る宇佐美さん

 

 

【プレゼンテーション】
働き方デザイン

大平 久美
熊本地域医療センター 元看護部長
関澤 祥子
海老名総合病院 医事課 課長
圓尾 文子
加古川中央市民病院 心臓血管外科 科部長
本多 隆子
日本医療デザインセンター 理事(モデレーター)

 

昨今しきりに言われている「働き方改革」ですが、あなたの職場ではどの程度進んでいますか。

特にコロナウィルスの感染拡大とともに普段の仕事+αの業務が増え、働き方改革による業務効率化を進めるどころか忙しさに疲れ切っている方も少なくないでしょう。

そんな社会課題に真っ向から向き合う、3人の女性がプレゼンターとして登壇してくれています。

トップバッターは熊本地域医療センターで看護部長を務められた大平さん。

熊本地域医療センターでは、理念浸透に向けた体制づくりを病院一体となって取り組んできました。体制づくりの一環として勤務環境改善の取り組みである「3本の矢」をテーマに掲げ、その内の1つである「ユニフォーム2色制の導入」がメディアでも取り上げられたのです。

日勤帯と夜勤帯の看護師を区別できる「ユニフォーム2色制の導入」をしたことで、残業時間が減っただけでなく、看護師がケアにかけられる時間も増加しました。その他、熊本地域医療センターで取り組んできた試みについて詳しく知りたい方は、是非アーカイブ動画をご確認ください。

 


熊本地域医療センターでの取り組みを3本の矢で解説する大平さん

「コロナの第7波を乗り越えるためには、多職種が一丸となって対応する必要があった」

自身の業務に追われる中で、海老名総合病院ではどのように対応したのか医事課の課長である関澤さんが語ってくれています。

どの病院・施設でも抱えている「多職種連携の課題」をいかにして解決していったのか。具体的な取り組みを知れるだけでなく、「フォローし合える関係性をいかに築くか」が最も重要だと気づかされる内容でした。

 


海老名総合病院でコロナウィルスへの対策を中心になって取り組んだ関澤さん

加古川中央市民病院で先天性心疾患手術を牽引している圓尾さん。同時に、3人のお子さんを育てる「ママ」の一面も持っています。

心臓外科医と育児の両立、多くの人が「そんなこと自分にはできない!」と諦めてしまうかもしれませんね。

しかし、圓尾さんは誰もが大変だと思う状況を楽しみながら、デザインしていく思考にたどり着いたそうです。

「子どもは母親の所有物ではなく神様からの授かりものであり社会のもの。だからこそみんなで育てていけばいい。周りの人たちもその子によって幸せを感じられる。そのために私は心臓外科医をしている」

子どもや育児のせいにしない、働き方を本気でデザインしていく姿は多くの女性に勇気を、男性には気づきを与えてくれました。

 


自身の働き方をデザインして医師と育児を両立させた圓尾さん

 

 

【招待講演】
HITO病院でデザイン経営を追い求めて

石川 賀代
社会医療法人石川記念会 HITO病院 理事長
廣瀬  憲一
医療法人社団 守成会  理事長(モデレーター)

 

「スタッフが誇れる、
地域の中にあり続ける病院にしたかった」

登壇者の石川さんは、HITO病院の前身である「石川病院」を先代から受け継ぎました。新しいスタッフも増え、再スタートを切るタイミングでHITO病院としてのパーパス(存在理由)を設定しました。

 


「いきるを支える」をテーマに、自院のパーパスを追い求めるHITO病院理事長の石川さん

 

「HITO中心に考え、
社会に貢献する」

 

先代の思いを継承しながら、次世代として強い組織文化を作り上げていくためのパーパス。

もともと慎重な性格の石川さんは、コロナ以前は守りに入っていたといいます。しかし、コロナをきっかけに攻めに転じたそうです。

 

 

「コロナのような有事の際にも道しるべとしてパーパスが存在している。だからこそ何度も立ち返って迷わずに進んでこれた」と石川さんは語ります。

その他にも多くの仕掛けをし、「デザイン思考」で魅力的な病院を作り上げている姿勢は「この人の元で一緒に働きたい!」と思えるほど魅力的に見えました。

 


モデレーターを務めた廣瀬さん(左)とのセッションの様子

 

 

【プレゼンテーション】UXデザイン

天米 穂
株式会社神崎工務店 コーディネーター
渡邉 雄介
株式会社Medverse 代表取締役
中川 将吾
つくば公園前ファミリークリニック 院長
村田 和之
株式会社セントラルユニ 事業開発部 係長(モデレーター)

 

「遊んでいたら
勝手に元気になるクリニック」
「動けなくても
声ひとつで生活できる住環境」
「バーチャル空間で
利用できる病院」

 

このキーワードを耳にして、ドキドキ・ワクワクしてしまうのは私だけでしょうか。

きっとあなたも「そんな理想的なものがあればいいんだけど…」と思うはず。
そんなあなたに新しいユーザー体験を届けてくれるのがプレゼンターの3人です。

 


「病院」に閉じ込められない医療のかたちを体現する、つくば公園前ファミリークリニック

 

医師や理学療法士の視点を持ち、すでにあるものを掛け合わせて新しいものを作り上げる。

 

「病院×テーマパーク」
「住環境×リハビリテーション」
「医療×メタバース」

 

新しいユーザー体験を追求した3人のプレゼンに衝撃と感動を味合わせてもらいました。

 


UXデザインのプレゼンターはフルリモートで出演

 

 

【プレゼンテーション】
地域コミュニティデザイン

菅原  健介
株式会社ぐるんとびー 代表取締役
野口 泰昭
医療法人社団泰大会 顧問・運営本部長
千場 純
社会福祉法人 心の会 まちの診療所つるがおか 院長
北川 幸子
日本医療デザインセンター 理事(モデレーター)

 

「このまま誰も助けてくれなければ、
多くの人を巻き込んで
人生を終わらせるつもりだった」

上の言葉はプレゼンターの一人である菅原さんが、実際にご家族から言われた言葉です。

上の例は極端に聞こえるかもしれませんが、「医療」や「介護」の枠組みに当てはめて考えていると、なかなか対応できない事例は多く存在します。

そういった方々を見捨てず、隣の人と手を取り合って生きていく。大きな家族のような繋がりが「地域コミュニティ」には求められているのではないでしょうか。

そんな理想の「地域コミュニティ」を実現させるため、3名のプレゼンターが日々全力で取り組んできた話を熱く語ってくださいました。

 


「醫」の意味を解く、まちの診療所つるがおか院長である千場さん

 


 


地域コミュニティのセッションには保険制度に収まらない取り組みの工夫があった

 

 

ラップアップ&クロージング

最後に、代表理事の桑畑さんからサミットの総括が述べられました。

「BEYOND BORDERSということばを多くの登壇者が使ってくれて体現してくれた。一人ひとりの発表によってBEYOND BORDERSへ命が吹き込まれた」

「この吹き込まれた命を絶やすことなく、2023年の社会実装に繋げていきたい」

社会実装を目指して、医療デザインセンターの活動はまだまだ続いていきます。

 


サミットの総括を熱っぽく語る桑畑さん


全10個のセッションをグラフィックレコードでまとめた笹本さん(左)と豊原さん(右)

見る人がほっこりする可愛らしい絵柄と簡潔にまとめられた要約の数々は、見ていて感動しました!

 


可愛らしい絵柄と箇条書きを交え、セッションの内容をわかりやすく要約


出来上がりを見て会場の参加者も感動していました!

 

おわりに

約8時間もの講演を聴き終え、心地よい疲労感と溢れんばかりの充実感に心が満たされました。

登壇者の方々は、自身で感じた疑問や不自由さと正面から向き合い、解決策を模索し続けてきた方ばかりです。周りとは違う活動をしているため、時には「変わり者」と揶揄されたこともあったでしょう。
しかし、いつの時代も、社会に大きな影響を与えてきたのは人とは違うことをしてきた「変わり者たち」です。

だからこそ、医療デザインサミットに集った方々は、誇れる「変わり者たち」だと思います。

きっと、このレポートを読んでいただいているあなたも立派な「変わり者」でしょう。そんな同志ともいえる「変わり者」が多くいることに、あなたも勇気をもらえるはずです。
これだけの「変わり者」が集まれば、社会が抱える課題を解決する”Collective impact”を起こすことができるのではないでしょうか。

登壇者のみなさんが今後どのように活動の幅を広げていくのか気になりますし、「自分もこの場所に立ちたい!」と強く思える、そんな素晴らしいサミットでした。

(ライター 梶原拓真)

 

Writer : 梶原 拓真
Photographer : satomi
Graphic Recordier : 豊原 亮子、笹本 玲緒奈
Director : 蒲原 雄介
Public Adress : とぽ
Operator : 本多 裕樹
Producer : 桑畑 健

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医療デザインサミット2022 特設ページ
医療デザインサミット2022 Youtube 再生リスト
会場提供:mashup studio


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